令和2年5月25日
令和2年度 入学式 式辞
色調豊かな緑から、みなぎる生命力を感じる季節を迎えました。本日ここに,令和2年度浅江中学校入学式が挙行できますことを,心から感謝申し上げます。
128名の新入生のみなさん、入学おめでとうございます。皆さんが入学されるのを心待ちにしておりました。
皆さんも、臨時休校が続く中で今日の日を楽しみにしていたことと思います。本日より浅江中学校の生徒として仲間入りをされました。 本校ではこれまで皆さんの先輩をはじめ、多くの方の手により、すばらしい伝統と校風が築き上げられてきました。皆さんにも、この浅江中学校の生徒であるという誇りと自信をもち、これからの3年間を過ごして欲しいと思います。
入学にあたり、「夢」をもつことの大切さについてお話ししたいと思います。皆さんは自分の夢をもっていますか。まだの人はこれからの中学校生活を通してぜひ見つけてほしいと思います。
「夢あるところに行動がある。行動は習慣を作り、習慣は人格を磨き、運命をつくる。」という言葉があります。夢をもっているからこそ日々努力するという行動につながり、それがよい習慣となって自分が磨かれていきます。それが今後、運命を切り拓くことにつながっていく力になっていくということです。
浅江中学校では、皆さんが夢を実現するための道筋を掴んでいけるよう、地域の方々と共に応援していきます。様々なことに挑戦し、つながりを深めながら充実した学校生活を送っていくことを心より願っています。
保護者の皆様,高いところから恐縮ではございますが、一言ご挨拶申し上げます。本日はお子様のご入学,誠におめでとうございます。3月初めからの一斉臨時休校もあり、本日、中学校の制服に身を包み,緊張した表情で入学するお子様の姿を見られ,感慨もひとしおのことと存じます。
これまでとは異なるスタートとなり、学校でも新しい生活様式での教育活動となっていきますが、御家庭と連携をとりながら、大切なお子様の成長を教職員一同、精一杯支えてまいる所存です。成長盛りの3年間ですから、いろいろな出来事があると思います。大切なことは、子どもたち一人ひとりが社会で通用し、貢献できる人へと成長していくために、学校・家庭・地域が手を携えて、思いを一つにして支えてあげることだと考えております。お子様の健やかな成長のため、「つながり日本一」を合い言葉に連携していけますよう、よろしくお願いします。
最後に、新入生の皆さんの浅江中学校での3年間がかけがえのない素晴らしいものになることを祈念して、式辞といたします。
光市立浅江中学校長 重本 浩志
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「こんな時こそ」〜生徒のみなさんへ〜
すでにお知らせしているように、臨時休業が延長となりました。生徒の皆さん、元気に過ごしていますか?
皆さんの安全を第一に考えてのお休みですので、それに応じた規則正しい過ごし方をしていきましょう。
「3密(密閉・密集・密接)」を始め、いろいろな気をつけることが必要ですが、こんな時、常に「○○できない」と考えると気持が後ろ向きになってしまいます。「今だからこそ○○できる」と考えてはどうでしょう。手に入れた時間をプラスに捉えると、家族のために出来ることや、夢の実現のために自分自身を高めることに取り組めます。
昨日から教科書やワークなどをお渡ししています。いつもは当たり前に受け取っていた物ですが、おうちの方に無理を言って来ていただいてお渡ししています。ありがたいことです。こうした場面でも、普段使う物や支えていただいている方の存在を改めて実感でき、「気付き」の力が高まります。
また、今は直接会えないかもしれませんが、仲間や地域の方々のために「いつか○○したいな」と考えることも出来ます。
次に皆さんに会えるとき、「この機会に○○出来た」と教えてくれることを楽しみにしています。
校長 重本 浩志
 
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着任の挨拶
伊藤校長先生の御退職を受け、後任の校長として着任いたしました重本です。「つながり日本一」を掲げ、地域とともにある学校として歩んでいる浅江中学校をこれまで同様、皆様に愛され続ける学校にしたいと思っています。
まず、子どもたちには夢をもって欲しいと考えています。地域とともにその夢の実現への道筋を子どもたちにもたせることのできる学校をめざします。
3月初めからの臨時休校により、当たり前であることのありがたさを改めて感じます。こんな時だからこそ何ができるか共に知恵を出し、ピンチをチャンスに変えたいものです。安心安全を基盤に、子どもたちが学ぶ意欲をもち、充実した学校生活を送ることができるよう尽力してまいります。どうぞよろしくお願いします。
光市立浅江中学校 校長 重本 浩志 |
令和元年度 第73回卒業証書授与式 式辞
式 辞
豊かな自然に恵まれたあさなえの地に、四季の移ろいを告げ、彩りを添える春の日、ここに浅江中学校第73回卒業証書授与式を挙行できますことを、心より感謝申し上げます。今般の予期せぬ事態により、やむを得ず緊急の措置をとることとはなりましたが、本日は、卒業生の新たな門出を祝おうとご出席いただきました保護者の皆様、在校生の代表の皆さん、そして本校教職員とともに、心からなる祝福の時を、124名の卒業生へ贈りたいと思います。
卒業生の皆さん、卒業おめでとう。
そしてまた、これまで無償の愛を注ぎ、支え、励ましながら、この日の来るのを心待ちにしておられた保護者の皆様方に心からお祝いを申し上げます。
今日の日のこの喜びは、これまで皆さんが日々続けてきた努力の結晶であるとともに、皆さんを慈しみ育んでこられたご家族の深い愛情や仲間の励まし、さらには地域の皆様方の温かいご支援など、様々な人々の支えのおかげであることを深く心に刻んでほしいと思います。
さて、卒業生の皆さん、希望に満ちた入学式から3年の月日が経ちましたね。今、この壇上にあって、皆さんと過ごした日々の節目節目が思い出されます。皆さんの心に映っているのはどのような情景でしょうか。友と机を並べて考え、意見を交わした日々の授業、時には悔しさを味わい、それをバネに練習に励んだ部活動。そして、全校が心を一つにして取り組んだ数々の学校行事や生徒会活動。そこには、多くの喜びや感動があり、しかし一方で、くじけそうになったこと、不安に駆られたこと、歩むべき道の選択で思い悩んだこともあったことでしょう。日々の努力や苦労や悲しみや喜びを重ねて今があるのです。今ここにいる自分を、どうか心静かに見つめて、これまでの歩みを振り返ってみてください。
まだ幼ささえ感じさせる入学式からほどなくして迎えた最初の大きな行事は、2泊3日の宿泊学習でした。「史上最高の1年生」をめざして、30キロハイキングに挑戦し、自分たちの限界と向き合いましたね。
浅江中の中堅学年として、様々なことにチャレンジした2年生。「職場体験学習」や共生社会について考えた「ふれあい促進事業」、人間国宝の山本晃さんによる特別授業、さらには「立志の誓い」の発表などを通して、心豊かに逞しく成長していく皆さんの姿を見ることができました。
そして、3年生の5月。皆さんは、修学旅行で「トラブル0」を成し遂げ、そこで培った最高学年としての自覚のもとに、翌月の生徒総会を見事に成功させました。
それは、9月の体育祭へとつながっていきました。皆さんの熱い思いの込められた「集団演技」や「応援合戦」。後輩たちを支え、リードしながら、隊の勝利に向けて、声のかれるほど、ひたむきに練習を重ねている一人ひとりの姿は、勝敗を越えて、何よりも尊く、価値あるものに思えました。
続いて迎えた10月の文化祭。皆さんが3年間、一貫して問い続けてきたテーマが、「いのち」そして「生きるということ」でした。そのテーマの下に、学年のステージ「車輪の一歩」では、1年時での「グッバイ・マイ・・・〜浅中1年生バージョン」、2年時での「ヌチドタカラ〜命こそ宝〜」に続いて、人々の心を揺さぶる演技と学年合唱を披露してくれました。
その後も、認知症サポーター声かけ体験や浅江地区防災訓練、福祉施設訪問、あるいは東光保育園での保育実習、さらには、地域の方々のご協力による模擬面接など、思えば、こうした一つひとつの活動や行事を経るたびに、確実に成長の姿を見せていってくれた3年間であったように思います。
命を使うと書いて、「使命」といいます。
これからますます社会は大きく変化するでしょう。人口減少や少子高齢化、人工知能による技術革新、時には、この度の未知なる感染症との遭遇のような予期せぬ出来事に直面することもあるでしょう。だからこそ、これからもしっかりと学び続け、学んだことを生かしながら、自分の頭で物事をしっかりと考え、仲間や周りの人と協力しながら困難を乗り越え、よりよい未来を築いていかなければなりません。
1年時の文化祭の劇中で、謎の老人が発した、「人は皆、何かのために生まれていくんだ」というセリフを覚えているでしょうか。その言葉そのままに、皆さんのこれからの人生は、その「何か」を求め、発見していく旅路となるでしょう
。その過程で、一人ひとりが自らの道を自分らしく切り拓き、かけがえのない人生を歩んでいくこと。それこそが、皆さんに与えられた「使命」であることを、どうか心に留めておいてください。
最後に、私自身、心に刻んでいる言葉の一節を皆さんに贈りたいと思います。
自分には自分に与えられた道がある。
天与の尊い道がある。
どんな道かは知らないが、
他の人には歩めない。
自分だけしか歩めない、
二度と歩めぬかけがえのないこの道。
広いときもある。
狭いときもある。
のぼりもあれば、くだりもある。
坦々としたときもあれば、
かきわけかきわけ汗するときもある。
この道が果たしてよいのか悪いのか、
思案にあまるときもあろう。
なぐさめを求めたくなるときもあろう。
しかし、所詮はこの道しかないのではないか。
あきらめろと言うのではない。
いま立っているこの道、
いま歩んでいるこの道、
とにかくこの道を休まず歩むことである。
自分だけしか歩めない大事な道ではないか。
自分だけに与えられている
かけがえのないこの道ではないか。
他人の道に心を奪われ、
思案にくれて立ちすくんでいても、
道は少しもひらけない。
道をひらくためには、
まず歩まねばならぬ。
心を定め、懸命に歩まねばならぬ。
それがたとえ遠い道のように思えても、
休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。
深い喜びも生まれてくる。
松下幸之助さんの残された言葉です。
これから歩む道のりは必ずしも平坦なものではないでしょう。しかし、歩み続ける先には、必ずや、新たな道が開けてくるはずです。そして深い喜びも生まれてくるはずです。自分だけにしか歩めない、かけがえのない道を、いのち輝かせて、堂々と歩み続けてほしいと思います。
いよいよ旅立ちの時となりました。新しい門出には、常に期待とともに不安が同居しているものです。しかし、「15歳の旅立ち」とは、若さとチャレンジの精神に溢れたものであってほしい。
「友 進むべき道の先に どんなことが待っていても」
「友 この歌を思い出して 僕らを繋ぐこの歌を」
どうか、友と一緒に歌ったこの歌を、友と一緒に過ごした浅江での日々を心の糧とし、自信と誇りをもって歩みを進めてください。私たちは、いつまでも皆さんを応援しています。
終わりになりましたが、卒業生並びに本日ご臨席を賜りました皆様方の一層のご健勝とご発展を祈念し、式辞といたします。
令和2年3月7日
光市立浅江中学校長 伊藤幸子